事業承継② 後継者の状況
二代目は、同業他社や関連業界に就職しているケースが多いですね。
私は、全く畑違いの企業に居ました。
それはそれで勉強になった部分もありますので、異業種での修業が無駄だとは思いません。
販売店の場合、メーカーへ行ったり、設計事務所の場合、建設会社に行ったりが普通だと思います。
私の知り合いで、家業が流通業で、本人は金融機関に就職した例があり、それは、先を見据えた素晴らしい行動だと思いました。
いずれにしても『他人の飯』を食べるのは、重要な事だと思います。
学校を出てから、いきなり親の会社に入って大成した人を、私は知りません。
『従業員の気持ち』が分からない経営者は必要ありません。
起業する場合は、学生から、あるいは、学生のまま起業する方もいて、それなりに成功している方もいらっしゃいます。
起業家と後継者は、ちょっと違うんですね。
組織や仕組み、システムをゼロから作り上げていく ことと
先代が築いたものを『強化拡大していく』 こと
それは違います。
では、すでに、学生からすぐに親の会社に入った人はどうすればいいのか?
少なくとも、現場作業を一通りこなしてきた方でしたら、さほど問題は無いです。
ただ、何らかの形で、外で仕事をした方が良いとは思います。
・給与無しで、同業他社に頼んで1~3年ほど修業する
・時間外にアルバイトをする(例えば、午後から半日でも可能)
どんな形であれ、外部で仕事をすることは重要です。
また、先ほど申しましたが、『現場を知らない』方の場合はい致命的です。
「経営者は従業員の気持ちが分かる必要はない」
「経営と現場作業は違う」
なんて言う創業者もいます。
自分は、現場をやって苦労してきたのに、もう仕組みが出来ているから、それをオペレートする事だけが後継者の仕事だとでもいうのでしょうか?
こういう方は、まれに存在します。
自分の苦労を息子にさせたくないという親心なのか
それとも
自分自身も、チャンスや人脈のみの活用で、たまたま現在の地位を築いているのか・・・
それは分かりませんが、現場も知らず、他人の飯も食っていない二代目は、社員から舐められます。
徹底的に舐められます。
江戸時代の商店じゃないんですから。
昔は、大番頭がいてすべての采配をして、若旦那は遊び惚けていた・・・
まぁ、どこまで本当か分かりませんが、それでも成り立っていたのでしょうね。
跡取りや御家は大事であり、従業員は崇め奉っていましたから。
現代でも、創業者は、敬われている、尊敬されているケースは多く存在していますが『家』が尊敬されているわけではなく、『人』が尊敬されているわけです。
先代も、後継者も、その辺は間違えないようにしてください。
・『経営学』や『経営ノウハウ』だけでは、会社経営は出来ないのです。
・起業と承継はまったく違います
この2点は特に念頭においてください。