個人事業主の法人成りの落とし穴

法人成り
個人事業主の方は、
「売上が1000万円を超えると消費税を支払わなければならない」
ということをよくご存じです。
ですので、1000万円を超えそうになる場合、以下のようなことを行っている方がいるそうです。
良く知りませんが(笑)
売上の回収に関して、銀行口座等に振り込まれたものは、隠しようがないので、それ以外、例えば『現金で得た収入は、売上も含めて隠してしまう。』
これ、脱税ですよ!
実際、現金取引で、仕入れも大して発生しない商売の場合、売上は隠せるんですよね。
私も個人事業主ですが、すべての収益は、銀行振り込みにしてもらっています。
現金での取引はありません。
隠したくても隠せないのです。( ノД`)シクシク…
いえ!!隠したくはないです。(笑)
BtoBの仕事をやっていると大抵はこうですね。
但し、エンドユーザーさんとの取引とか、現金問屋さんとの取引などは、どうなんでしょう?
隠せちゃうのでしょうか?
いえ、今日は、そういう脱税の話ではなく、
売上を隠すと困る場合があるというお話。
個人事業主が、売上が好調な場合、社員を増やしたり、投資家を付けたりしたくなって【法人成り】を行う時の事を考えてください。
金融機関に融資をお願いする場合、経営計画書を作ります。
直近の売上が 950万円 営業利益が 80万円
隠していた売り上げが600万円だったとします。
実際の売上は1550万円 実際の営業利益 600万円 とします。
起業の際の経営計画では
・何を売るのか?
・顧客は居るのか?
をメインに論じて、金融機関もその実現性を審査してきます。
ただ、法人成りの場合、個人事業として行っていたことがベースになるのは止むを得ないでしょう。
どんな革新的な展開を考えていても前年度実績を基準に判断されます。
実際の売上が1550万円ですから、
店舗、宣伝、営業を増やすとして 対前年売上が+15%というのは、無理のない範囲の目標です。
私は、自分で経営していた時、+25%という数字も出しています。
事業部を増やすなんてことをすると、もっと増やせます。
1550万円+15%は、1800万円です。
ですが、税務署に届け出ている売上金額は 950万円
1800万÷950マン=1.9 ≒2倍
約2倍の売り上げ目標は、ちょっと並大抵ではありません。
2倍!!!
金融「お客様を増やすのはどうやって?」
個人「従業員を増やすので大丈夫です」
金融「今まで従業員の定着率悪いのにどうやって?」
個人「会社にするから大丈夫です」
金融「求人はどうするの?」
個人「ネットでチャチャっと」
金融「従業員教育はどうするの?」
個人「私がやります。この仕事の経験はありますから」
金融「今までも定着率悪いよね?」
~以下繰り返し~
ですから、本当は無理のない計画なのに、どうしても、無理がある計画に見えてしまいます。
「実は、売上は隠していたので、実力はもっとあるから大丈夫です」なんて言えないでしょ?
そうすると、
どうやって売り上げを2倍にするのかを考えないといけない。
販売促進
仕入の低価格化
求人方法
社員教育
・・・・・・・・
これで、スタッフがいない状態だったら、まず無理です。
支援者、協力者、コンサルタントなどの、内部外部のスタッフは居ますか?
いなくて、「全部自分でやります」なんて通用しませんからね!
経営コンサルタントとして、こういう場合の計画を立てるの大変なんです。
困るんですよね、本当に
まぁ、何とかしますけど(笑)(後述)
熱意とか情熱なんて金融機関は見てくれませんからね
悲しいな~
というか、目先の欲に目がくらんで売り上げを隠していると、大きくなりたいときに大きくなれない。
では、こういう場合どうするか
・2倍の目標を達成できる根拠を出来るだけ具体的に明確に提示する
・金融機関以外の投資家を探す
・個人事業主を続ける(正直経理で)⇒翌年法人成り
・投資額を少なくする計画を作り直す
と、まぁ、やり方はいろいろあります。
それらの複合ですかね?
金融機関に借入を行う際に、完全な新規の起業の方が楽な気もします。
色々と助成金も出ていますし。
でも、法人成りの場合、新規起業にかかる金額では足りないことが多いです。
ですから、将来、個人事業を法人成りさせて大きくしたい方!
売上を隠していると、金融機関は融資してくれませんよ
お気を付けください。