社員教育概論②

(前回の続き)
年次別教育
前提教育(ワーキング)
どの教育でもそうであるが、経営理念、経営ビジョンに関しては社内が共通の思いを持っていることが前提である。
そうでないならば、それが腑に落ちるまで、ワーキングを行う必要がある。
「経営理念をどう思うか」
「経営理念を元に考えたら、この事案はどうしたら良いのか」
「そもそも、この経営理念で良いのか」
「経営理念通り行動しているのか」
⇒では、今後どうしていけばいいのか?
社長が言う所の経営ビジョンは明確か?
それはワクワクするか?
経営理念に則って考えて、そのビジョンは適切か?
また、社員が思うビジョンはどうなのか
など、
無理に1つの結論を出す必要はなく、
『経営理念に沿って考える』ということが癖に成れば良いのです。
勤続5年以上
管理職候補なのかエキスパート職候補なのかははっきりしている。
共通なのは、【会社の方針に則った行動】をとる教育、後輩の指導(OJT等)
・管理職教育を本格的に始める(外部研修 研修終了後も社内でフォロー)
管理とは何か
行動目標の立て方
部下の傾向と対策
チーム作り
孤独なリーダー
叱咤激励
自由闊達
・エキスパートとして、より専門的な教育(高度な各種資格取得 等)
勤続3~4年目
会社全体を見る力
将来、管理職又はエキスパート職に成るかの見極め
それぞれに合った教育
営業のノウハウの基礎は、全員受講
突っ込んだ営業技術はエキスパート職
部下指導の基礎は管理職候補
上記の表で③以上の者対象
2年目
先輩としての自覚(1年生と一緒にワーキング)
モチベーションの維持
経営理念、ビジョンの振り返り
通常、新入社員のメンターは3年生が丁度良いと思うが、少人数の会社の場合、2年生が行うのも致し方ないと考える
1年目
・社会人としての自覚、行動の基本を学ぶ
・社内教育 商品知識、社内部門の働き
・商品体験
・地域貢献の心を学ぶ
・基本的な実務の教育
商品知識、現場OJT
・内定者との懇談やワーキングを通して、先輩社員に成るための布石の教育をする
(表向きは内定者の定着のため)
① 導入教育
② 入社3か月目 フォロー研修 ギャップの解消
③ 入社6か月目 目標設定教育
これ以外に半日研修、2年生と一緒
内定者
・簡単な社会人教育(ワーキング)、モチベーションのある社員としてスタートダッシュ出来るようにする
管理職ではないベテラン
◎政策的に、ベテランを一掃して全くの新体制にする場合
それが出来る条件
・ノウハウや技術の継承が不要 ⇒ 機械化やIOTで解決できる場合
・顧客の引継ぎが容易にできる場合
・そもそも、業態を一新する場合
~非常に限られます。
◎ベテランを腐らせずにノウハウを後輩に継承するには
・ベテランが脚光を浴びる場面を作る
例① 講座、講習の講師をベテランにやってもらう
例② ベテランに人生を語ってもらう
皆の前だと難しいので、ベテラン同士の昔話を若手に聞かせる
永年勤続の催しは盛大に行う 等
<<参考資料>>
1. 世代別社員の課題
(1) バブル期までに採用された世代(50 代以上)
(2) バブル崩壊後1990 年代に採用された世代(主に40 代)
(3) 2000 年代に採用された世代(主に30 代)
(4)2010年代に採用された世代(主に20代)
ゆとり世代の新人教育
ゆとり世代の特徴としては、前述の競争意識の低さ以外にも、「言われたことしかやらない」や「チャレンジが少ない」等、安全思考が強く、積極性に欠ける傾向が見られます。
しかし、自己の成長に対する意識は強く、組織というより、自分にとってどれだけのメリットがあるかが一つの尺度になるようです。
ゆとり世代の育成としては、入社時のビジネスマナーの徹底は勿論のこと、人生における仕事の位置づけを認識させること(キャリアアンカー研修)がより有効な育成方法となるようです。
また、特徴的な性質として『怒られ慣れていない』と言う事が有ります。
この世代だけではなく、現在の30代以下の者は、その傾向が有ると考えてください。
40代以上の場合は、学校時代に『悪い事をやったら怒られる』ことが当たり前であり、体罰も仕方がないという思いの範疇でした。
時には、不条理な怒られ方も有ったりしましたが、その場をやり過ごせば終わるものと理解していました。
ところが、それ以降の学生は、学校の指導方法が大きく変わりました。
とにかく、体罰禁止 です。
先生方は、『怒る』こと自体も躊躇し、怒る、叱る 事のトーンが大幅に下がっています。
以前と、現在の比較が出来ない学生は、それが当たり前だと考えて、社会に出た時に、上司や先輩に叱られると、かなりショックに感じるらしいのです。
こんな怒られ方したことが無かった
中には、パニックに陥り、自分の尊厳が否定されたようにまで感じる者もいるそうです。
ですから、勿論、無暗に怒ってはいけないのは当たり前で、『叱り方』を変えていかなければなりません。
『叱るのは、愛情が有って、今後は良くなって欲しいから』
そう思っているのは、叱っている側だけなのであって、叱られた方は『理不尽だ』と思うだけかもしれません。
『相手に改善をしてもらいたい』そこが目的であるので、『叱る事』は手段であって目的ではありません。
今後は、その手段を変えていかなければいけないと思います。
有効なのは、『コーチング』なのですが、そもそもコーチングは、該当者の引き出しの中にあるものを自ら探し出してもらう事ですから、答えにつながるものが引き出しの中に何もなければ、何も生みだしません。
ですから、事前に、或いは、指導をしたい局面にぶち当たった時に、泥縄的でも仕方が有りませんが、ティーチングを行う必要が有るのです。
現在、中小企業では、『作業』に対するティーチングは行っているのでしょうが、『仕事のやり方、考え方』のティーチングは、ほとんど行っていないと思う。
新入社員時だけではなく、定期的に、例えば、半期に1度でも、1年に1度でも、最低1日ぐらいは、そのような教育を行う方が良いと思います。
『指示の受け方・出し方』とか簡単なことでも構いませんから。
中堅社員の育成ポイント
中堅社員は2極分化される時期です。
・仕事にも会社にも慣れ、新入社員の頃のガムシャラ感がなくなり、マンネリ化の波にのまれそうなA君タイプ。
・仕事や会社に対する理解が深まり、上司や後輩からの信頼を得て、管理職候補としての気配は勿論、将来、会社を担うであろうと評判のB君タイプ。
ヨーイドンで始まる新入社員から3~4年たった中堅社員の時点で、既に未来の姿を想像することが出来ます。多くの場合、その期待を裏切ることなく役職に就いていきます。
入社してから3~4年の間に、生まれるこの違いは何でしょうか。
以下の事をテーマにして教育していきましょう。
☆重要なポイント
モチベーションアップ
未来をイメージする
企業が人を育てる時代
朝礼は温度を伝える
高齢者のモチベーション
会議の活性化
報告の重要性
仕事が速い人(納期)
派遣社員と正社員の溝
生き残れない企業の共通点
営業マンの育成
部下育成(褒める)
未来の君からの手紙
拙速主義のすすめ
企業が求める人材の傾向
世代別社員の課題20代40代
コミュニケーション(意見)
今年の新入社員の傾向は
等