携帯電話のシェアの推移から見る従業員との対話の必要性
社員が辞める原因に関しては、いくつか述べてきました。
最も多いのは、経営理念が浸透していないとか、在っても、形骸化している場合。
「会社はどんな方向へ行こうとしているのか?」
「経営者は、何をしたいのか?」
その辺が不安になる社員が多いようです。
真面目であればあるほど、考え込んでしまうようです。
「こんなに忙しいのは何で?!」
この先が見えないのです。
特に、人材難の職種やヘッドハンティングされるほどの人材の場合は、その傾向は大きいでしょう。
一部の大手企業を除いてお話いたします。
・安定した収益の企業は、やや収益は低い
・収益が高い企業は、歴史が短く、今後、同業他社の進出で、先行きが不透明です。
mixiって覚えていますか?
日本でのSNSの先駆けです。
上場の際は、株式の争奪戦が行われました。
SNSとしてのmixiは今や風前の灯火、ゲーム モンスターストライクで何とか盛り返している企業です。
一時期は、大変にもてはやされた企業も、業績には急降下があるものなのです。
なんで、安定した企業は収益が低いのでしょうね?
あまり政治の話をするのは避けたいのですが・・・
日本の業界は、とかく規制で守られていました。
郵政、運輸から始まり、通信もエネルギーも今や規制緩和されています。
その結果、一般消費者にとっては価格が下がるなどのメリットがありました。
しかし、参入障壁が下がったことにより、技術面ではどうなのでしょうか?
ITの技術は、他の熟練工に比べると、さほど習得期間もかからずに実現ができます。
それで急成長した会社は数多くあります。
ですが、ということは、真似も容易なのです。
日本は、昔から、オリジナルを大事にしている文化があったと思います。
これは、総務省が公開している、各携帯電話会社の12年間のシェアの推移です。
御覧のように、もともとのオリジナル携帯電話会社であるDOCOMOが過半数のシェアを占めていましたが、現在では拮抗しています。
先ほども言いましたように、IT技術は簡単に真似ができます。
差がつくのは、ハード面、設備の規模や数です。
まだまだ、DOCOMOには追い付かないのかもしれませんが、消費者は総合的に判断して、他社へ流れていきます。
私は30年弱、DOCOMOを愛用しておりました。
iPhoneが壊れてしまい、DOCOMOではなく、アップル側の対応に憤慨して、修理ではなく、iPhoneも含めて機種変更をしようとした際のことです。
iPhoneでもandroidでも携帯電話って高いのですね?
10万円以上します。
店員さん「分割にすれば、月々のお支払いは少ないですよ」
いや、そういうことではないでしょう?
参考になればと思い、他社も覗いてみました。
「他社からの切り替えは、新型が無料」
新しい顧客を得るのですから、先行投資ですよね。
長年使っているユーザーに対してのサービスも何かあったと思いますが、一気に10万円のサービスまではいかないと思います。
ここで何が起こったかというと、、私は他社へ乗り換えました。
電話番号も変わらない
キャリア独自のメールは使用していない。
電話帳はグーグルで管理している
他社へ乗り換える障壁は何もないのである。
元々のオリジナル企業は、収益減少になる顧客の流出に対する対策を考えていないのである。
もっとも、釣った魚には餌をあげられるほどの収益もないのであろうけど、
しかし、それは確実に顧客が減少し収益の減少に通じている。
しかも、さらに値下げをしろという、政府のお達しだ。
規制緩和は、こういう構造になっている。
他の業界も、大抵この構図だ。
消費者は、値下げは歓迎だろうが、立場を変えれば、企業の人間でもある。
企業は、規制緩和で収益が下がっている。
もしかしたら、給料が下がるかもしれない。
でも、物価が下がれば、行ってこいで同じか?
でも、給料は簡単には下げられない。
これでは企業はつぶれてしまう。
なんでこんな話をしたかというと、顧客に対するアピールも、従業員に対するアピールも同じなのだと思う。
なぜDOCOMOの方が良いのか?
ユーザーに聞いてみた。
「田舎でも通じるのよ」
そんなに田舎に行かない場合はどうするのか?
いや、田舎ではAUやソフトバンクは通じないのか?
本当にそうなのか?
私には、キャリアによる差は分からない。
吉野家やマックのタダ券だって、別に欲しくはないし、もうすでに同じようなことを各キャリアは行っているでしょう?
差が分からないということは、そこでなくても良いということだ。
現に私は、1か月間、DOCOMOではないキャリアを使っているが、キャリアの違いで困ったことはない。
新しい機種に戸惑っていることはありますが。
ですから、
うちの会社はこうです。
将来はこうなっていきます
とユーザー、社員に伝えなくてはいけないのです。
従業員は、
同業他社でも、ほぼ同じような環境だというのは理解しているのでしょうが、
「ここから離れると、何か良い事があるのではないか?」
あるいは、
「とにかく逃げたい」と成って行くのでしょう。