『管理職として雇う』という大きな間違い

ヘッドハンティングなどで、「管理職経験者」を雇って、すぐに管理職につけるケースがあるようですが、・・・失敗しますよ。
雇われ社長の方がまだましです。

管理職をやったことがあるから、別の職場でも管理職が出来ると思ったら大間違いだ。

管理職はプレイングマネージャー

自分の仕事を行いつつ部下管理を行う　のではなく
プレーヤーだった部分があるから管理が出来るのです。

知識の問題です。

大手企業の部長の人事では
営業部長が経理部長に成ったりする場合もありますよね？
でも経理部長が営業部長になって成功するとは思えませんね。
これは、実務よりも、人の「使い方」の部分に特化していること。
部長の仕事は、会社全体を見て、他の部との連携を図り、自部門の課長、係長の使い方が仕事です。
作業の指導が仕事ではありません。
誰に何を行わせるか
単独か、グループか　など

でも、中小企業の管理職って、まさしく、係長、課長なんですよ

門外漢の他業種の管理職経験者を自社に雇い入れて、すぐに管理職をさせようとする経営者がいます。
管理なんて出来ないですよ
実務を知らないんですから
理論で管理職は出来ないです。
管理職なんてそんなに簡単なものじゃない。
だって、実務を指導できないんですよ
仕事の優先順位の判断も出来ないんですよ
実務能力は、部下が優れていても、それは問題が無いのです。
ただ、その仕事を知らないと管理なんて出来ませんよ。
そういった意味では、叩き上げの人を管理職にするべきです。
「いや、今の社員じゃ管理職なんて適任者はいないよ」
いえ、お言葉ですが、管理職のための教育を行っていないだけではないのですか？
教育が、出来ないのではないですか？

きつい事を言うと、お金が有れば、資本金が有れば、誰でも経営者にはなれます。
その後、上手く行くかは別にして、名実ともに経営者にはなれます。
人材の募集を掛けて、採用すれば、新入社員は、あなたを社長と認めます。

管理職も、上役が命じれば管理職にはなれるのですが、実を伴っていなければ部下が認めないですよ。

社長が、「今日から彼が（彼女が）上司だから、従えよ」

「はぁ？」という感じです。

少なくとも、1年以上、ワンサイクルは実務を過ごさないと、この会社でどんなことが起こるのか分かりませんよ。
まぁ、同業他社からでしたら、1年は必要ないかもしれませんが、「今日から！」は無謀です。

私は、実務もこなすコンサルタントですので、会社にどっぷり入ることも多いです。
・新しい部署
・部下がいない部署
のトップだとやりやすいですね。
部下がいる部門のトップもやったことが有ります。
雇われ社長をやっていました。
ただ、社長の場合、全員が部下でありながら、管理職とその部下のような関係ではありませんので、いきなり管理職になるよりは、よっぽど気は楽です。
重圧はもっと大きいですけどね

「今、うちの会社には、管理職の器がある社員はいない！」と言っている中小企業の社長！
管理職の教育をしていないだけですよ
もっと言うと、
先程述べたように、管理職の延長が経営者ではないのですから、経営者では教育できないかもしれません。
管理職を経験している経営者は、その点、出来ると思うのですよね。

また、先程述べましたが、「優先順位」の件

一般社員に対して作業の優先順位まで指導する経営者がいます。
たまにいます。
この人は、経営者ではないです。
管理職社長です。
まずは、管理職を育てましょう。
そうしないと、本当の意味で社長にはなれないですよ。