事例研究 事業承継
※実話に基づきお送りします。※
ある業界では関東一の店舗数
初代は技術力が高く人望に厚い
二代目は雇われ社長で全くの他業界から引っ張って来られて五年ほど勤めた。
門外漢でもあったので定期的に支店を巡回
その後、初代の息子が社長に就任
彼も技術者であったが、技術やセンスが特に卓越していたということはない。
就任後、各支店の主要ポストのメンバーが数多く独立。
現場の声「現場にもほとんど顔も出さない。新社長の良いところが全く分からない」
天才的技術者のカリスマ経営者
その息子は、どちらかというと凡人
その承継の際に、間に門外漢を挟んだことは正解だと思います。
その間に、先代と息子は、一体、何をしていたのでしょうか?
業界に精通していなくても経営していた雇われ社長の手腕をキチンと見ていたのでしょうか?
息子の経営補佐として、雇われ社長は、その任を終えてから顧問とか相談役で会社に残らなかったのかな?
会社経営と次代の育成の両立は難しいと思います。
特に、キャラクターが違いすぎる場合は尚更です。
技術面でのリーダーシップが取れないのでしたら、人心掌握のノウハウを身に付けるべきです。
雇われ社長さんは、それは出来ていたと思います。
経営者としての実績はありましたから。
初代と二代目と息子、この3人で、「何のために二代目がリリーフをしたのか?」に関して、キチンと話したのだろうか?
そして、引き継ぐ際には、どのようにしたのか?
多分、3代目は、初代、二代目のやり方を承継した部分は少ないのではないかと思われます。
カットアウト、カットインではいけないのです。
まぁ、前社長の影響が強く残ってもそれはいけないのですが、
次代のトップに、それ相当の実力、魅力が無ければ、先代の影響力は残しておくべきです。
次代社長は、「企業立ち上げ」の最も大変な時を経験していないのですから、事業承継後は、別の形の大変さ(先代を受け入れるということ)を味合わなくてはなりません。
それがないと社員は納得しないですよ。
同じことをやる必要はありません。
しかし、先代が行ったことを否定することは、それを信じていた人たちが離れていくということです。
何故、会社が大きくなっていったのか、その苦労を理解するところから承継は始まります。
何度も言いますが、理解が出来ず、尊敬できないのでしたら、事業の承継はするべきではありません。
仕事は他にいくらでもあるのですから。