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お前に任せる

「後はお前に任せるから」
よく聞く言葉です。

しかし、任されたからと言って、好き勝手にやって良いわけではない

上司や会社の指示の方向で、理念の範疇で、臨機応変に細かいことは自己判断で行う、という事
例えば、あるプロジェクトの場合・・・。

プロジェクトの場合
・目的
・方法
・障害があった時の対応策
・予算
・着地点
これらを事前に決めていることが一般的です。
なんとなくプロジェクトを開始している場合、それ自体が間違っているのです。
きちんと決めましょう。
でも、プロジェクトマネージャーによって、成功か失敗かが分かれるほど、調整力は必要です。

一番差が出てくるのは、もちろん、開始前にどれだけ綿密に関係各所を漏らさずに打ち合わせをしたかという計画段階にあります。

ですが、進捗チェックとか部門間の連携のさせ方とか、実施後もプロジェクトマネージャーの力量によっては成果が変わってきます。

ですから、例えば、若手にあるプロジェクトを任せる時、
『この人ならば、手順もわかっている、詳細のやり方は自由で良いが、肝は抑えてくれる』
と思える人でなければ【お前に任せる】なんて言ってはいけないのです。

また任された方も
「任されたんだから、今までとは違うやり方でやっていいんだな!」と思うのは早合点です。
全くの誤解です。
よく、TVドラマであるのは、結果オーライの命令違反です。
面白いですけどね

美容室を例にするとわかりやすいです。

「今日はお任せでお願いします」と言う場合
その店が、どんなコンセプトで、
また、その担当者がどんなテクニックを持っているか分からなければ、お任せなんて言いませんよね?
飲食店でも「お任せサラダ」なんか、初めて入る店では警戒して頼めないです。

頼まれた方も、自分のやりたい感じだけではなく、お客さんの服装や、普段の会話から、『その人に気に入ってもらえる方向で』自由にやるものです。
そうなると、「そうそう!言葉にはできなかったけど、こうやって欲しかったの!」という、期待を上回る結果になることがあります。

責任は、命じた上司(客)にあります。
相手の力量や、相手の行動をきちんと見極め、あるいは、今日の主題の『自由にめちゃくちゃやって良いわけではない』を伝えて部下に【任せる】と言う必要があります。
責任は、命じた上司にあるのですから。
責任を果たさない上司がいることも事実です。

また好き勝手やって良いと思う部下がいることも事実です。

実は、事業承継も全く同じです。

引き継いだから、好き勝手にやっても良いと思ったら大間違いです。

先代や株主の意向に沿っていますか?
改革しようとしていることに関して、先代や株主の賛同は得ていますか?

「え?自分の代になっても好き勝手出来ないの?」
当たり前です。

そうしたいなら、起業しなさい。
事業を承継するべきではありません。

改革は、先代の主義の【根本】を変える事ではありません。

時代にそぐわなくなってきた部分にメスを入れたり、新たな技術を取り入れたりすることは必要です。
勿論、制度などの革新も含みますが、理念を破壊してはいけません。

『先代だったら、どうするかな?』
『株主が賛成するのはどうするかな?』

根回しも含めて、周囲が納得できるようにすることが『任された』者の取る方法です。
排除ではありません。
逐次報告を上げたり、相談することは、『任された』ことを放棄していることではないのです。
そこを勘違いしている人が多すぎます。

任した人が納得するように動くことが『任された』なのです。

理念を変える場合は、株主、先代が納得いくまでやってはいけないのです。
というか、納得させられない能力でしかないなら、理念を変えてはいけません。

寿司屋に行って
客「今日はお任せで!」
といって、カレーライスを出す店主はいませんよね?
太巻きを出す店主もいませんよね?
お客が選んだアルコールに合うようなつまみを出し、口に合うようなネタを出します。
勿論、問答無用に出したいものを出す店も存在しています。
それは、お客は分かったうえで任せるのですからそれで良いのです。
一見の店でも「お客様、○○は食べられますか?」とか聞いてくれるのはありがたいです。
相手の意向に沿うということです。
相手の力量を見るために行う『お任せ』が存在するのは認めます。
それは、試験であったり、確認事ですよね。

そういった意味では、大塚家具さんの一件は、反面教師として大切な題材です。

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