会社の立て直し1 問題点の発見
私が担務出来る業務は多岐に渡っていますが、大抵の場合は、ピンポイントの問題点が決まっています。
(或いは、複合の場合もあります)
例えば・・・
・将来、本格的に建設業に乗り出したい
・今後、組織を拡大していきたいので、その手伝いをしてほしい
・経理がずさんなのでやり方を刷新したい
・第2創業をしたい
・事業承継をしたい
・人材の採用が上手く行っていない
など、です。
あまりない例なのですが
「全体を見て欲しい」という案件もあります。
その際、「現在の問題点は何だと把握していますか?」と経営者さんにお聞きします。
『問題点』とは、理想の会社の形が明確に具体的にあって初めて出てくるものです。
理想と現実の間にあるものが問題点
で、「全体を見て欲しい」と言う事は、何か、上手く行っていないことが有るのだと思いますが、
この質問「問題点は何ですか?」に対して
「問題点はありません」と答えて頂いた経営者さんがいます。
そういう場合、問題点を探るところから私の仕事になるわけです。
そういう企業の場合、えてして問題点は山積みです。
なんで、顔を背けてしまうのでしょうか?
ひょっとすると「あるべき姿」「理想の姿」を明確にしていないからかもしれません。
何となく仕事を続けていて、会社が成り立ってしまうことはあります。
特に、創業時の少人数で、起業の心意気が分かっている方々ばかりだと、「会社のあるべき論」なんて、いちいち言わなくても問題が無いのかもしれません。
ただ、起業時でも、急に参加したり、完全に一般採用をした場合、初めからボタンの掛け違いが起こっている場合もありますので、「会社のあるべき論」は、全社員共通の認識が無いといけません。
建前でも良いのです。
それを目指していくという事ですから。
ですから、会社の立て直しを行う際に、一番初めに取り組むことは、以前にもお話ししましたが、「経営理念の見直し」なのです。
無理に変える必要はありません。
この経営理念で良いのか?
そこへ向かっていく企業で良いのか?
顧客はどう思うか?
従業員はついてくるか?
ビジネスパートナーはどう思うか?
社会的に受け入れられるか?
経営理念は、大抵短い文章や言葉です。
そもそも、経営者本人は、その意味を詳しく解説できるのか?
以上の事を考え直して欲しいのです。
ここで、会社のあるべき姿が明確になります。
すると、『現状』との乖離が見えてきます。
この乖離の事こそが問題点なのです。
ですから、「問題は無いです」なんて気楽に言う経営者は、「経営理念」を単なるお題目だと考えて、深くは考えていないのです。
まず、『出来ていない現状』=『問題点』を書き連ねましょう。
一般の経営者でしたら、50個を目安に挙げてください。
50個の問題点が書けない経営者は、
①経営理念を理解していない
②会社の現状を満足に観察していない
かのいずれかです。
部門長でしたら、自部署の問題点を20個以上は挙げてください。