おやじの会
会社が世代交代するときに起こりがちなのが、「年上の部下」問題。
子供に事業を承継する時にもありますが、若手を管理職に抜擢するときにも起こります。
労働力集約型の企業では、古くからいる社員は、手順や作業に熟練しているので格が上。
だから、給与も役職も年功序列でも行けたのです。
ところが、最近では、作業に熟練だけではなく、アイデアだったり、コミュニケーションだったり、顧客満足だったり、社員の技能の評価基準は複雑で種類も多い。
そうなると、年功序列とはいきません。
そこで、「年上の部下」がしばしば発生してしまうのです。
年上の上司の話は、また今度にして、事業承継の話をしましょう。
資本集約型の企業の場合は、もっと顕著です。
大型機械などの操作は簡単になっており、逆に、最新技術を学校等で学んだ若手の方が優れていたりします。
ですから、若い息子が事業継承する時なんか、ベテランをバッサリ切ってしまうのもありだなと思います。
それにすべきと言う事ではありません。
会社の状況と新社長のキャラクターと他の社員の状況でしょうね。
これで大成功している会社を私は知っています。
私の場合は、労働集約型の会社であり、「ベテラン社員を、どうやって取り込もうか」と考えました。
私が子供の頃から知っているベテランが多かったことも要因の一つです。
私は、会社を生まれ変わらせようとしていました。
ある見方では、全く違ったものにしようとしていました。
ですから、まず、大反対するであろう、前社長の生え抜きのベテランをこちらの味方にしようと、色々と策を講じました。
多くの事をやりましたが、その中の一つが「おやじの会」です。
これは、ベンチマーキング(自己革新を目的とし、高い革新成果を達成している他社のやり方を学び、自己の革新を最高水準に高める方法を考え出すこと)を私は良く行っていたのですが、他社の取り組みを自社に取り入れたものです。
まるっと良い処取りです。
詳細は省きますが、簡単に言うと
ベテラン社員を一度に複数人(5~6人)呼んで、各自の「今までの歴史」を語ってもらう、と言う事です。
それだけです。
まじに面白かったです。
凄くきずなが深まりました。
そして、その打ち上げに、わざと元気な若手を呼んでおいて、またその話をかいつまんでするのです。
前もって若手とは打合せは全くしていなかったのですが、ベテランたちを尊敬し、より仲良くなったようです。
この取り組みは、自分の中でも気に入っているものです。
まぁ、何回もやることじゃないのですけど、またやりたいですね。